万能鑑定士Qの事件簿 Iを読みました

評価:
松岡 圭祐
角川書店(角川グループパブリッシング)

¥ 540

(2010-04-24)

 松岡圭祐によるライトノベル万能鑑定士Qの事件簿 Iを読みました。
「面白くて知恵がつく 人の死なないミステリ」というキャッチコピーは、作品を読む前から知っていて、上から目線で人の痛みに鈍感な作品なんだろうかと思っていたのですが、事件簿 Iは凜田 莉子の挑戦せざる得ない状況とその環境での努力とその結果得られた知識といった根性と人情を強調する演出が目立ち、また小さく見える罪であっても、人をとてつもなく傷つける可能性があるという、人の気持ちを大切にする描写もありぼく好みの作品でした。
 そう言う意味で表紙のクールで怖い印象すらある凜田 莉子の絵であったり、TV CMなどのプロモーションが、裏目にでている部分も多く、あれで食わず嫌いになっているなら改めて読むことをオススメします。
…つーか、表紙の凜田 莉子を見返す度に「これ誰?」と首をひねってしまいます。
 この巻は、次巻で詳しく描かれる「力士シールの真相とハイパーインフレ」の伏線が非常に濃く、おそらく万能鑑定士というキャラクターの真骨頂は次巻から詳しく描かれるのかなと楽しみにしています。