OVA作品FREEDOMが面白かったです(ネタバレあり)

 日清食品のカップヌードルの広告として企画され、2006年から2008年にかけて行われたプロモーション・プロジェクトFREEDOM-PROJECTの内の一つとして制作されたOVA作品FREEDOMが面白かったです。
 キャラクター・メカニックデザインを大友克洋が行っており、シリーズ構成は佐藤大ということでとてもぼく好みです。
 ビジュアルのクオリティがとにかく高く、オープニングの映像を見た瞬間に一気に引き込まれました。
作中ではちょっと古いポリゴンアニメっぽいぎこちなさがありますが、今の時代に観ると味があるかなと思いました。
…ストーリーに関しては、以下ネタバレありで書きます。

 物語がはじまる「EDEN」は人類が移住した月の共和国で、文明が発達しており秩序あり快適な生活が提供される一方で、「科学技術の研究の自由」「地球の渡航への自由」が奪われ、地球文明は高度の放射能によって崩壊したと伝わっています。
 しかし、実際の地球は文明の多くは失われたけれど人類は自由で暢気に暮らしており、そんな地球に住む少女アオが月に向けて送った一枚の写真をEDENに住む主人公であるタケルが見つけるところから物語が大きく動き始めます。
 この作品でぼくが気に入ったのは、高度に文明が発達して技術的には地球に行くことが出来るEDENは地球を見限るのに、月に行く技術を失った地球の人間が月に移住した人間の安否を心から気遣っているという描写でした。
 自由がテーマのこの作品で、豊かでも自由を奪われた人間が他者に無関心になるのに対して、厳しい環境でも自由な人間が他者への愛情を得るというのは非常に深いテーマだったなあと思いました。