3月のライオン5巻素晴らしかったです

 羽海野チカによるコミック「3月のライオン」の5巻が面白かったです。
今回は地方の将棋イベントに、名人戦という棋士の世界の話を中心に描きながら、間に桐山や川本家の日常を少しずつ入れて、棋士としての物語に進むのかなと思ったのですが、終盤で思わぬ展開がありました。
 以降ネタバレを含みつつ書きますが
 ひながいじめられていたクラスメートをかばったことで今度は自分がいじめらて、怯えて不安になって泣きつつも、友達をかばったことに後悔は無いというシーンにぐっと来ました。
 その態度に零が昔いじめらても誰からも助けてもらえなかった自分と、ひながかばったいじめられていた女の子を重ねて、救われる描写にはもう号泣してしまいました。
 ぼくも子供の頃普通にいじめられたりしましたが、子供心にそれはどれくらい心細いことで、そういうときにかばってくれる友達のありがたさはいくつになっても忘れられないし、かばえる人間の勇気は本当に素晴らしいと思いました。
 そしてそれに対する零の「約束する、僕がついてる、一生かかってでも、僕は、君に、恩を返すよ」はそういう痛みとうれしさを両方知っている人間ならでは言葉だなと思い本当に感動しました。