アスカ@未来系1巻面白いです

 2009年2月号から月刊サンデージェネックスにて掲載されている島本和彦の「アスカ@未来系」第一巻がとても面白かったです。
島本和彦といえば、小学生にもコマ割の仕方を指摘されるくらいに、勢いで一気に作品を描く作家さんですが、この作品は一言で説明出来ないことをじっくり時間をかけて計画的に伝えているんだなと実感しました。
 しかしマンガの冒頭で主人公自ら転校の挨拶に「オレ、20年後の未来からやってきました!!」と言わせてしまったり(ギャグとしてスルーされてしまうけれど)と、謎もばんばんオープンにしていきます。
 聞けばなんてことない謎を大きなものと予感させる技法を使う作品が目立つ中、この作品はこんがらかった出来事を可能な限り分かりやすく伝えたいのだけど上手く伝えられないもどかしさみたいなものが描かれているなと思いました。
 また作中の「殺すべき、倒すべき よりも …丸くおさめるべきだ!!」という言葉に妙な説得力があるなと思いました。
勧善懲悪でない世界のヒーローがぶち当たる壁を見事に現しているなと思いました。