ロードス島戦記 ファリスの聖女が面白かったです

ロードス島戦記 ファリスの聖女 完全版 (単行本コミックス)

 水野良による小説とテーブルトークRPGなどのロードス島シリーズを漫画化した作品「ロードス島戦記 ファリスの聖女」が面白かったです。

 ロードス島戦記でおなじみのパーンやディードリット達が活躍したよりも昔、魔神戦争の時代を描いた作品ですが同時代を描いた水野良による小説版「ロードス島伝説」ともまた違ったストーリーです。
ロードス島伝説でも描かれなかった魔神王の迷宮(最も深き迷宮)の中での六英雄たちと魔神との戦いを、最も緻密に描いた作品だったと思います。

 作画はイラストレーターとしても有名な山田章博で、止め絵としての高い完成度に左綴じということでアメコミに近い印象を受けました。

 水野良の作品は成長していくキャラクターを描くことに力を入れており、成長しきったキャラクターの英雄的活躍は、あえて描かれないことが多く、テーブルトークRPGが好きなぼくもそのスタンスに強く共感するのですが、魔神戦争だけはどうしても一度は観てみたいと常々思っていたので、それらが事細かに描かれているこの作品が大好きです。
 いずれも劣らぬ英雄たちと最も強い怪物との戦いが描かれていますが、中でもぼくはベルドとファーンのコンビが大好きです。
特にファーンの格好良さは、昔は王道だったのですが、今では珍しい存在で、とても新鮮で魅力的です。

 こちらを読んでからロードス島戦記の英雄戦争見ると、さらに深く感動しながら楽しめます。

2024年加筆

 2015年に電子書籍版が販売されており、こちらもお勧めです。

ロードス島戦記 ファリスの聖女 電子版(上) (カドカワデジタルコミックス)