ソバ屋の本を見てショットバーを思い出す

 最近読み始めた「もっとソバ屋で憩う」(杉浦 日向子)の冒頭にとても粋な文章があったので引用します。
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 グルメ本ではありません。おとなの憩いを提案する本です。
 ソバ好きの、ちょいとばかし生意気なこどもは、いますぐ、この本を閉じなさい。十年はやい世界ってものがあるのですよ。
 腹ぺこの青春諸君も、もう、この先を読まなくていいです。諸君の胃袋を歓喜させる食べ物は、ほかにゴマンとあるはずです。
 データや接待に、使える蘊蓄はないかと、データ収集のつもりの上昇志向のあなた。この本は期待に添えません。さようなら。
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 ぼくは、チェーン店の立ち食いソバばかりを食べているので、粋なソバ屋で憩うなんてなじみ薄いのですが、この文章には感じる物があり、色々考えていると、ぼくにとってのショットバーが正にこんな感じだなあと気付きました。
一見おかしな連想ですが、ソバ屋をお酒を呑む場所と見るとこの二つはとても似ています。
どちらも、嗜好(杉浦さん曰く食欲でない、楽欲)を満たす事を最優先にした、人間の生存本能に反した非合理的な楽しみを追求する場所です。
 そして、ソバ屋とショットバーは梯子が出来そうな組み合わせ。
この本にあるようなソバ憩いを楽しんで、なじみのショットバーで軽く一杯、是非一度やってみたいものです。
もっとソバ屋で憩う―きっと満足123店 (新潮文庫)
もっとソバ屋で憩う―きっと満足123店 (新潮文庫)
杉浦 日向子,ソバ好き連