「あなたの人生の物語」の最後の決断で思うこと(ネタバレあり)

 劇場映画「メッセージ」の原作、テッド・チャンによる短編小説「あなたの人生の物語」の結末には大きな決断が描かれおりそれが子どもを育てたことのある人間には本当に感動するというか刺さります。

 いきなりネタバレですが、ルイーズ・バンクス博士はエイリアンの言葉を研究する過程で自身の未来を知る力を得て、それによって将来に娘を授かり育てるけれど、その娘は自分よりも若くに亡くなってしまうことをその時の自身の感情も含めて知ってしまいます。
 その未来を知っていても子どもを産むのか?という問に対して彼女は、産むという決断をするのですが、これが子どもを育てた経験のある者には本当に刺さります。

 子どもの幸せを一番に考えた際には、その決断は非論理的だし身勝手なものですが、そうと分かっても押さえる事のできない愛が含まれているし、子どもと過ごした時間は本当にかけがえのないもので、ぼくが彼女の立場だったら同じく子どもが欲しいという決断をする(産むとは決断出来ない笑)と思います。
…このことを考えると、産まれてきてくれた我が子への感謝と愛情が改めて溢れてきます。

 「あなたの人生の物語」のこの部分は子どもを育てたことのある者には刺さりすぎて泣けて語れなくなる一方で、不幸になると分かっているなら産まれたくなかったという子どもの立場や、客観的論理的な判断をする人の立場からは、身勝手なものと見えてしまいなかなか歩み寄りづらいけど、本当に誰かの意見を聞きたい部分でもあります。
 …でも、これ呑みながら語ったら大泣きするだろうなあ。

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