誇りみたいなのを否定された世代だなあと思う

 ぼくが子供の頃って、「誇りを持て」みたいな意見を言う人は身の回りに居なかったし、物語に出てくる「誇りを見せろ」みたいなことを言うのは愚かなキャラクターの象徴だったように思います。
 この辺りは戦時教育の反発みたいなものと、発展途上時の浮き足だった世情の影響もあるかなあと思うし、「誇りを振りかざす人」にも批判されて仕方無い頑固さや古さも混ざっていたと思います。
 例外として任侠作品などでは、仁義や任侠みたいな言葉と共に誇りを持って生きるってことが美談として描かれていましたが、それらは少数派だしなにより悪役のやる事として、まっとうな尊敬の対象ではなかったと思います。
 余談ですが、ガキの頃のぼくは結構それに憧れていて、悪役が好きになり色々厨二病をこじらしたような気もします。
 それから20年くらい経った数年前に非常に流行った「承認欲求」って言葉は「誇りが要らない」みたいなものの反発なんじゃないかと感じたし、その時期に誇りを重んじるダークヒーローが活躍したってのはやはり時代の移り変わりかなと思います。
 そんな流行も、3.11でまた違うモノになったと感じるし、実際変わるべきだとも思いましたが、まあ誇りを持って行動するって言葉を茶化さず当てはめるのって、ある種の刺激はあるんじゃないかなと思いました。