古市 憲寿の「だから日本はズレている」を読みました

 旬のある社会学の本の、3年前の2014年に発売されたものを読むというのもちょっと変わってますが、そのおかげでどれくらい時代の先読みが当たっていたのかがわかり「だから日本はズレている」は面白かったです。

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2014年当時の旬な書籍って、今読むとノリの違いから読んでいるとちょっと恥ずかしい気持になるものが多い中、「だから日本はズレている」は、違和感なく楽しく読むことができて凄いなあと思います。

 一方で著書の中で述べられていることが著者も含め多くの人に影響することなのに、客観的過ぎたり攻撃的な皮肉が多いところから、他人事感が出過ぎてしまい冷酷な人という印象になりそこは読み手を選ぶのかなあと思いました。
 …つか今の古市 憲寿さんくらいに知名度と所得を得ていると社会学で語られる問題は他人事になれるゆとりがあるわけで、その立場でゆとりの無い人たちの行く末を突き放して描くというのは実際冷酷だと思います。
2040年を予測して描いた章の、観測者である主役(たぶん著者)の視点などは自身は上手く没落を逃げ切った人目線だったりにするところにそういうの出ちゃってるんだよなあ。

 などと言いつつ、裸の王様を指摘するにはこのくらいの向こう見ずさが必要だと思うし、無責任な希望やいかがわしい流行予測を煽る人達に対するには彼の突っ込みとそれを裏付けする知的さは、とても信用出来るなと感じました。(頼りにすると危ない気もするけれど)