2014年に制作され第87回アカデミー賞で5部門アメリカの映画にノミネートされた映画、セッションをプライムビデオで観ましたがとても面白かったです。
セッション(字幕版) Amazonビデオ ~ マイルズ・テラー https://www.amazon.co.jp/dp/B019R841RS/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_2eGLAbRPAR2KS @AmazonJPさんから
音楽への情熱が行きすぎて、不器用ながら愛のある師弟関係を描いているかと思ったら全然違っていて、パワハラしまくりの名門音楽学校指揮者と、若く野心家のジャズドラマーが対決する物語と解釈して観ましたがとても面白かったです。
アメリカで最高の音楽学校シェイファー音楽学校最高の指揮者と、若くして才能に恵まれるドラマーを描いた作品で、競争を勝ち抜いて得られる権威やそこに求められるハードルの高さや得られる賞賛、それに対する飢えなど見所は多いですが、個人的にはラストの指揮者とドラマーのステージでのセッションバトル?が好きでした。
指揮者とドラマーのスリリングな我の張り合いを描くことで、ジャズセッションを通して若者が権威を覆す描写にスカッとしますが、その手段だったりあり方が独善的で、指揮者の好演もあって、嘗めていた若者に手ひどい反撃を食らい苦々しく思いつつも認めて共演するしかなくなる感じにも滅茶苦茶感情移入できるのが魅力かなと思います。
こういう相対する価値観を描きつつ、その両方を主観的に共感して、物語で引き立つように描く手法ってSNSな時代によくあっていると感じました。
ロードショー当時は、ジャズに対して愛情のある人ほど作中で描かれる音楽性や演者の成長などについて否定的な意見が多かったそうです。
ってぼくはジャズもあまり知らないしそもそもが異常な教育をする人とその影響を受けた生徒を描いた作品で、その題材がジャズだったという感じであんまり気にならなかったけど、まあ確かにジャズな人達にとって不愉快なのは当然だろうと思うし、突き詰めるとこういうのテーマなら、映画とか演劇とか自身の領分での話をやったら良いのにとは感じます。
そういえば、実際のジャズイベントで、ドラマーの子どものアドリブに対して世界的プレイヤーが往復ビンタしたというニュースががあったけど、生徒がコレを観て真似してやったんだったら実に中学生らしくておもしろい(恥ずかしい)なあと思うと同時に、現実は最後暴力だよねえと凄くさめた気持になりました。