BLUE GIANT SUPREME 4巻でさりげなく出て来た「人を楽しませたい」という感覚良いなあ

 ドイツへ渡りプロのジャズプレイヤーをめざす若者達を描いた作品、BLUE GIANT SUPREME 4巻でのプレイヤー同士の会話がとても好きでした。
その会話が以下みたいな感じ。

ラファエル「オレ自身が死ぬまで楽しくやれればそれでいいんだ。オレは自己中心的でワガママな人間なんだよ。」

宮本 大「ラファエルのドラムにはそんなとこ一つもない。オレはラファエルは自分が永くプレーしたいんじゃなく、本当は人を楽しませたいとしか思えない。」

というやりとりの中の「人を楽しませたい」ってセンスというか動機が、今どきはすごく新鮮に感じました。

 昔はかなり当たり前に使っていて、芸事に限らず人間関係全般の分かりやすい心得だったのですが、なんか3.11以降「人のために何かがしたい」って言葉に深刻さがついてしまった辺りから自粛され、加えて「人を楽しませたい」と張り切る人がスベるのを皮肉に嘲笑し否定するという文化も浸透し、今ではみんなが控えている感覚だと思います。

 ただ人前に出て何かを表現したりメッセージを発信することが、「人を楽しませたい」って感覚抜きに、お金や地位や影響力を得る手段だったり、承認欲求やら自己満足が最優先されるというのは、それこそみんなで楽しめない状況だし、何気ない人間関係でも「人を楽しませたい」という感覚が無くなると凄くギクシャクするだろうなあと思います。

 そんな「人を楽しませたい」って感覚は物凄く奥が深くやり甲斐もあるし、何よりも上手くいったら自分も一緒に楽しめるので、この感覚改めて大切にしたいなあと思いました。

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