マンガ 狼と香辛料が面白かったです

 支倉凍砂によるライトノベル原作、小梅けいと作画のマンガ狼と香辛料が面白かったです。

狼と香辛料 & 支倉凍砂 10周年公式サイト

 中世ヨーロッパを思わせる架空世界を舞台に、旅の青年行商人クラフト・ロレンスと神秘的な力を持つ狼の化身である少女ホロの物語。
経済活動を物語のメインにしており、ロレンスの真っ当な商人としての成功を目的としていることから、ホロというファンタジーな存在が居る世界ながらも生々しくハラハラドキドキできます。

 経済について考えられる点も多く、商売における駆け引きや抜け駆けをするために、人間関係や利害関係の情報収集と整理を他者より先んじて行えるって大事だなあと感じました。
また、中世世界の為替や貨幣の不安定さと同時に、先物買いや信用買いや支店をまたぐ仕入れなど信用の重要さが描かれており、お金を少し俯瞰的に考えられるのも魅力です。
個人的には、長寿の存在であるホロのために、人間であるロレンスたちが自身の死後である遠い未来を意識する部分などは、物語的にも思考法的にもとても好きです。

 などと深く考えなくても、物語全体としては獣耳少女ホロの存在が象徴するような、根明で可愛らしく美しい世界を描いており、ホロとロレンスの恋物語としても充分に楽しめるので、幅広い人にお勧めです。

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