少女終末旅行が第50回星雲賞【コミック部門】を受賞しましたね

 つくみずによる漫画、少女終末旅行が、日本でもっとも古いSF賞、第50回の星雲賞の【コミック部門】を受賞しました。

少女終末旅行 1巻 (バンチコミックス)

TVアニメ「少女終末旅行」公式サイト

星雲賞:http://www.sf-fan.gr.jp/awards/2019result.html

 元々好きな作品だったので受賞は嬉しいなあと思う一方、見所はチトとユーリという少女達を通して描かれる生きることの最高さであり、SF的魅力をメインにして読むと過酷な世界が際だってしまい、当事者の少女達が意識していない不憫さを意識しすぎることになりそうでなるべく考えないようにしていました。

 ただ今回改めてSF的に考えると魅力は沢山あり、例えば世界が過酷になった原因が人間にありそのせいで何も新しく始めようがなくなっている点を強調することで、チトとユーリの行動に対して「もっとこうしなさい」みたいに考える余地がほとんどなく「こうするしかないよね」という肯定が明確になったと思います。
 そして物語終盤の展開によって、終末世界にさえ楽しさを見いだしていたチトとユーリは(SF的にも)ごく普通の少女だったことが突きつけられ、そんな彼女達がそれでも生きるのは最高と語るのを見て、自分の生き方を改めようかしらというくらいの衝撃を受けました。

 もしアニメ版のみしか見てない方がおられたら、この受賞を機会にアニメ化されていない5~6巻を読まれることをオススメします。