漫画 働かないふたりが面白かったです

吉田覚による漫画 働かないふたりが面白かったです。

詳細やお勧めのレビューは下記を参考にいただくとして、今回は個人的にピンポイントで注目した、兄である石井守の執筆活動の部分について書きたいです。

ニートとして暮らしている守ですが、多読家でブログや漫画の執筆を行っているという描写が時折あり、その作品レベルはかなり高いことがほのめかされています。
作者の吉田覚はブログに掲載した漫画の評価からプロとして活躍しており、彼の生活には守とかぶる部分もあると考えました。
そう読むと作中で描かれている守の日常は、プロ漫画家の情報収集と充電の日常と感性が描写されているようにも見えます。
創作活動に関心のあるぼくは、守の多感な好奇心と積極性に圧倒されてしまいます。

無責任にニート生活を肯定していたり、ほのぼのしたニート生活を上から目線で見ているのではなく、作者の成功体験を元にした、他人からニート生活に見える暮らしが糧となる(こともある)という一つの主張とさえ見えて、その辺りがとても好きです。

もちろん、わかり易く素直に楽しむなら「ニート兄妹と家族や友人、お隣さんたちとの日常をリラックスしながら読む」であり、深く考えずに読んだ方が面白いかも知れません。
しかしもしも石井家のあり方であったり作中のニート暮らしに対して不安だったり反発を覚えるという人は、上述の考えを加えると見え方が変わるかも知れません。
という案配に、「漫画 働かないふたり」は色んな読み方が出来るという点でも多くの人にお勧めの作品です。

■詳細
働かないふたり 1巻 (バンチコミックス)

■お勧めレビュー
「仕事が嫌だ」とか「働きたくない」とかの次元じゃない漫画『働かないふたり』の兄・守は何かと名言が多い! | マンガ新聞

発達障害を理解するために「働かないふたり」は日本人全員に読んでほしい! – 元医療事務自閉症女子