機動戦士ガンダムUC アニメ episode 7「虹の彼方に」を観ました(ネタバレあり)

 福井晴敏による小説原作のアニメ「機動戦士ガンダムUC」episode7「虹の彼方に」を観ましたが面白かったです。
 原作と比べて細かな変更は非常に多く、観ているときの印象は「まったく違う作品」という感じでした。
 特に「大人っていうことをものすごく自覚的に武器にして使ってくる男」として原作では叩かれまくっていたフル・フロンタルが、アニメでは格好良く描かれていました。
音声のない小説とちがいアニメでは池田秀一の声からも好感を捨てきれない古くからのファンとしてはこの変更は嬉しかったのですが、その影響でマリーダ・クルスとクシャトリヤの活躍が小さくなっていたのは、原作ファンとしては残念です。
 アニメオリジナルの「ネオ・ジオング」が暴れるよりも、満身創痍クシャトリヤの捨て身の切り札の方が映像としては楽しみでした。
…あ、アンジェロ・ザウパーの活躍も原作と比べて小さくなっていますが、それは良かったと思います(笑
 などという違いはありながらも、あらすじなど全体を改めて振り返ると全体的には割と同じという印象でした。
ラプラスの箱の謎がなんかイマイチ盛り上がらなかった点は、原作よりもアニメ版の方が上手くさばいていたなあと思いました。
 また、ガンダムUCのもう一つの大きな謎である、フル・フロンタルはシャアなのか?に関しては、「シャアに似せて作り出された強化人間」である点は、アニメ原作共に共通していますが、アニメ版では上記の演出に加え、「サイコフレームに吸収されたシャアの残留思念」という設定を前に出した形でこちらは良かったと思います。
 …逆に言うと、アニメ版はepisode 2あたりで既にフル・フロンタルの偽物っぽさが強調されていたので、まさかのどんでん返しと言えたかも知れません。
 そしてこれで、機動戦士ガンダムUCは全て終了しましたが、作品全体を通しては非常に素晴らしいアニメーションだし、映像作品としても世界屈指のものであると思いました。
 ガンダムというものが、アニメタイトル最大ブランドの一つであることを改めてアピールしてくれたなあと感じました。