ハコヅメやだんドーンの泰三子さんが描くコミュニケーション力の高いキャラ描写が素晴らしいです

 元女性警察官の漫画家泰三子さんが「ハコヅメ」や「だんドーン」で描く、高いコミュニケーション力を持ったキャラ達が素晴らしいです。

ハコヅメ~交番女子の逆襲~(23) (モーニングコミックス)

コミュニケーション力を使い熟す人達

 コミュニケーション力は一般的にも多くの人が欲し、優れた人やキャラクターには憧れを抱きますが、泰三子さんの描くコミュニケーション力は、「人たらしの側面」が強調され、具体的なテクニックも解説されており異質な印象になっています。
 これまでコミュニケーション力に対しては、生まれつきカリスマを持った人とかオカルトっぽく考えていたのが、テクニックの積み重ねであること、客観的に受ける自然な印象と使い熟す本人の内面の計算とのギャップがとても大きいことに驚き幻滅するもなるほどと関心し、最終的には恐れ入りましたとなる辺りが素晴らしいです。

一般作品では珍しいかも

 高いコミュニケーション力を持つキャラクターの描写は一般的な物語では珍しく、多くはすぐに種明かしされたり複数キャラクターに分担させたり省略されがちだと思います。 …それどころか物語によっては登場人物にコミュニケーション力の高い人が一人居れば、物語が始まる前に解決してしまうものあるくらいです。
 細かな例でも、悪役の組織に属するキャラクター描写などでは粗暴さ残酷さが強調されがちで、よくそれで人がついてくるよなあと思いつつも、悪役としては分かりやすく感じてしまうし、ある種の魅力も感じます。 しかし、ハコヅメでは虎松譲二などコミュニケーション力高い悪役を描くことで、どんな組織であってもコミュニケーション力のある人間の存在は欠かせない事が分かりやすく描かれています。

ハコヅメの好きなキャラクター

 ハコヅメでは色んなキャラクターが、個性的に様々なコミュニケーション力を発揮するシーンの数々が大きな魅力と感じます。
 その中でも伊賀崎交番所長が大好きで、当初はサボり一筋30年を自称した出世欲皆無のキャラクターと描かれますが、竜崎グループ関係事件編などでは、作中屈指の異様なコミュニケーション力を発揮して大活躍してくれます。
…ドラマ版ではムロツヨシさんが好演してくれています。

【2021年7月スタート】 ドラマ『ハコヅメ』キャスト第4弾! 伊賀崎所長役でムロツヨシ出演決定!!

だんドーンも期待大

 新連載作品のだんドーンでは幕末の密偵としての謀略に、コミュニケーション力を無自覚に発揮する川路利良が大活躍します。
 伊賀崎交番所長の異様な活躍が大好きだったぼくとしては、ハコヅメよりも何でもアリでドロドロした展開が描ける幕末を舞台にした今作の今後がとても楽しみです。

だんドーン – 泰三子 / プロローグ | コミックDAYS

…ちなみに、現実のぼく自身は、コミュニケーション力まったく無いなあと痛感させられます。

「ハコヅメ」仕事論 女性警察官が週刊連載マンガ家になって成功した理由