ノベライズ「サマーウォーズ」(岩井恭平)読みました(ネタバレあり)

評価:
岩井 恭平
角川書店(角川グループパブリッシング)

¥ 580

(2009-07-25)

 細田守によるアニメ映画の岩井恭平によるノベライズ「サマーウォーズ」を読みました。
元々アニメ版が好きで何度も観ていたのですが、映画版に感じていた違和感に良い解釈をつけていた(ノベライズは後付けとなるために、考察とはまたちがいあくまで解釈ですが)のでその辺りについて書きたいなあと思います…ので今回はネタバレありというか、内容を知っている前提で書き進めます。
 まずヒロインの夏希が、恋愛遍歴はほぼ皆無の潔癖症の超奥手であり、主人公の健二をバイトと称して彼氏のふりをさせたのは一大決心だった点です。
(健二を誘う際に佐久間が居たのは予定外で内心じゃんけんはヒヤヒヤして観ていたという設定が追加されてます)
その結果、健二が奥手でもどかしく感じたシーンの多くにすごい奥行きが出来たように感じました。
 もう一点が序盤でOZの管理権限の暗号パスを解読出来たのが健二のみだった(アニメでは健二は打ち間違いだかで不正解。他に何人も正解者が居た。)ことです。
 これによって健二が全国手配されたことや、陣内家という一つ屋根の下に、AIをつくった侘助、キング・カズマこと佳主馬、パスワードを解読した健二、パニックを解決した栄、そして花札でラブマシーンを倒した夏希というキーマンが集結していてることから最後にラブマシーンが原発から陣内家に標的を変更した理由に説得力が産まれたように感じました。
 と言った具合に、アニメではスピード感を重視していてつじつま合わせにあまり気をつかってなかった点が色々フォローされていて、アニメ作品のノベライズって良いなあと改めて思いました。
…そういえば昔ラピュタのノベライズを読んだのですがあれも面白かったなあ。