口コミにできないサービス

 昔、一杯のかけそばって物語が流行りました。
まあ、涙のファシズムなど色々突っ込まれているのですが、全体としてぼくはこの話が好きです。
この話に出てくる「北海亭」の店主が母子の事が気に入って、閉店時間だけど特別に入れたとか、蕎麦を半タマおまけしたとか、ささやかだけれど心に染みるサービスをするシーンは感動の演出になっています。
 ただそれらは「他のお客さんには内緒」のサービスで、もし実際のお店でそういうサービスを受けた人が居たとしてもネットの口コミのような公の場では語られることはありません。
…いや、たまにmixiの日記なんかにそれを事細かに書いてしまい、お客お店共に大ダメージを受けているようなケースもありますが、その後そのサービスは封印されると思います…。
 こういった具合にお店の印象をがらっとかえるような感動的なサービスは、ネットの口コミでは見つからない一方、現実の口コミはこういう秘密のサービスこそを美談として信頼出来る仲間内でこっそりと共有します。
 今後、こういうデリケートな情報を扱えるネットサービスが生まれるのか?それとも口伝のみの方が良い情報として口コミに出来ないサービスとして扱われるのか?興味深いです。