apprivoiserとはよく言ったもので

評価:
サン=テグジュペリ
岩波書店

¥ 1,680

(2000-11-15)

 サンテグジュペリの『星の王子さま』で、人間関係の構築において「apprivoiser」が大切なのだと語られています。
 その「apprivoiser」ですが直訳すると「(ペットや家畜を)飼いならす」という意味になるそうで、人間の深い愛情や友愛を可愛いタッチで描いている作品全体から見るとちょっと浮いた意味になってしまい翻訳家たちは独自の解釈で意訳を…などというのは、「ETV特集 “星の王子さま”と私」で詳しく語られていて、そちらをご覧いただければと思います。(アレ?)

 …今回は星の王子さまという可愛い世界から切り離して、人間関係において「apprivoiser」が重要であると考えると、改めて直訳の 「(ペットや家畜を)飼い慣らす」という意味が落ち着くのではないかみたいな事を語りたいです。
 例えば野生の馬と人間は、人間が馬を飼い慣らす(家畜にする)ことで初めて共存することが出来るようになります。
同じように人間同士でも素の状態での共存には限界があり、相手を飼い慣らすことで初めて深くわかり合えるのではないかと思いました。
そして人間同士の場合、お互いがお互いに飼い慣らすわけで、家畜やペットとの関係と違い平等なものであると考えると、この言葉はあらためて深いなあと思いました。
 ちなみに、自分が飼い慣らした相手になら飼い慣らされてやっても良いみたいな多少の駆け引きが生まれるかも知れませんが、まあそこはご愛敬ということで。