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羽海野チカによるコミック「3月のライオン」の6巻が面白かったです。
以下ネタバレあるかもです。
+++以下ネタバレあり
いじめに耐える川本 ひなたや、病身の棋士二海堂 晴信といった弱い立場の人間の描写が切なく、そしてそれにつけいる人間のずるさを厳しく描いていました。
そのリアリティに支えられ主人公である桐山 零が、弱い立場で耐える強さと強い立場に自分を棚上する弱さを知ることで、どんどん強く成長する描写は感動的でした。
終盤にあるそれを象徴する、
「自分の問題を克服せずに 他人に背負わせる事を「正しい」と言うのなら、僕の答えはただ一つ、ふざけるな」
という桐山のセリフにはものすごい説得力があり素晴らしいと思いました。
そしてその強さを得て最初に気づくのが自分の更なる弱さで、これも桐山セリフ、
「自分以外の人の、やさしさとか、強さとか、さみしさとか、ぜんぜん…、本当にいつも気づけなくて、くやしくて、情けなくて…」
…本当に、素晴らしかったです。
で、なんか思い出したのがレイモンド・チャンドラー 「プレイバック」の名台詞
「強くなければ、生きてはいけない。優しくなければ、生きる資格がない」
3月のライオン6巻を読んだあとだとひときわ心に染みこみます。
って、プレイバックは実はまだ未読ですが(w