鬼物語が面白かったです(ネタバレあります)

評価:
西尾 維新
講談社

¥ 1,365

(2011-09-29)

 西尾維新によるライトノベル作品、化物語シリーズ11作目「鬼物語」がとても面白かったです。
新刊ライトノベルの発売日を指折り数えて待ち焦がれ、発売日に購入一気読みするようになるとは正直思っていませんでした。
…ちなみに、鬼物語は9月30日発売予定だったのですが、もしかしたらと29日夜に近所の書店をのぞいたら売ってました。
やったぜと、思ったら28日発売だったようです。まあ良いんですけどね。
 今回は、猫物語(白)から伏線が張られ、もしかしたらこのまま未回収になるのではと心配していた夏休み明けの阿良々木暦のエピソードが描かれています。
語り部は、阿良々木暦ですが、花物語の沼地?花のように、忍野忍の語りもあるので忍ファンにもたまりません。どうでもいいけど、斧乃木余接が可愛かったです。
さて、以下ネタバレになります。
…鬼物語以外に、猫物語白、傾物語、花物語のネタバレが含まれます。多いな。


+++以下ネタバレあり
 …えと、マジでネタバレいきますよ。
今回、一番気に入ったシーンは、八九寺との別れです。
八九寺はまよいマイマイのころからずっと別れを予感させるキャラクターで、偽物語などでは露骨にそれが描かれていました。
セカンドシーズンに入ってからは猫物語白ではブラック羽川が消え、花物語では神原の悪魔の手が消え、物語は怪異の消失へ進んでおり覚悟はしていたのですが、傾物語で別れが無く油断していたので今回は結構やられました。
「失礼。噛みました。」で泣くとは思いませんでした。
 そして阿良々木暦の言葉がまた良いです。
十一年間、孤独に過ごしてきたひとりの女の子が、もう少しだけ遊びたいと思ったことが—罰され、裁かれなければいけないほどのことか。
…この個人の感情を尊ぶために世の道理を敵にまわす啖呵を切るってのは、西尾維新の真骨頂だと思います。
 そしてこの巻で、忍野扇の正体がおおむね分かりますが、これって次巻で完全に回収されるのか、サードシーズンに続くのか気になるところです。
などと言いつつも次回はいよいよ最終巻。恋物語です。
偽物語 下からろくに出番が無かった戦場ヶ原ひたぎが語り部をするようなので期待大です。