花物語が面白かったです

評価:
西尾 維新
講談社

¥ 1,365

(2011-03-30)

 西尾維新によるライトノベル作品、化物語シリーズ9作目「花物語」がとても面白かったです。
サブタイトルは「するがデビル」ということで神原駿河を語り部にした彼女が主役の物語となっています。
 阿良々木暦達が卒業した後の神原駿河を描いており(劇中に登場する阿良々木暦曰く「次回作では何食わぬ顔をして高三に戻るから」)、登場人物や設定も少なくいわゆる名作路線だったと思いました。
 大したネタバレはないと思いますが一応以下はネタバレアリで書きます。


 今回は神原駿河と沼地蠟花の二人がメインキャラで、新キャラクターである沼地を一言で現すとメシウマキャラかなと思いました。
 カウンセラーのようにじっくり他人の悩みを聴き、内心では他人の不幸は蜜の味と思ってはいるものの、その行為によって結果的に他人を救っているそうい歪んだ部分を描き、それでも時には馬鹿馬鹿しい程に人を救いたいと願う根本的な人間愛と、そんな人間が結果的に世の中の負を全て引き受けてしまう切なさが、非常にわかりやすく描かれていたと思いました。
 また非常にピンポイントな感動なのですが(まあ今更という感じですが)、人の期待に応えたいという感情について凄く腑に落ちたなと思いました。
 他人の期待に応えたい自分が自分であったとしても、納得がいかなければ期待してくれた人とも戦い(意見をぶつけ合い)双方納得してその上で、相手には新たな期待を持ってもらいそしてその期待に応えれば良いという発想は肩の力が抜ける気持ちになりました。
…誰かの期待に応えたい自分と、そんなことばかりしていると自分が損をするのではないかという葛藤をさくっとクリアしているようで凄いなと思いました。
 今回は人間関係におけるちょっとした発想の転換のコツのような物が随所に描かれていて、ビジネス書を読むような気持ちよさもあるなと思いました。

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