ボーカロイドだからこそ出来る演出

クリプトン・フューチャー・メディア

¥ 12,408

(2008-07-18)

 「【鏡音リン】ココロ」を聴いて(動画も好きでワンセットという印象がありますが)それまで割と否定的だったボーカロイド作品が急に好きになりました。
 ちなみにそれまで割と否定的だった理由は、人間の歌手だったら許されないけれどボーカロイドなら許されるクオリティがフェアじゃないと感じたからです。
特にボーカル志望の人間がどれくらい歌に厳しいかを知っていると無視出来ないなと思い、実はそこは今も引っかかっています。

 ただそれを帳消しにする魅力に、ボーカロイド作品に自動的につく孤独さ・孤高さのリアリティがあるかなと思いました。
例えばココロの歌詞は「孤独な科学者に作られたロボット」で始まるのですが、この孤独感は人間が歌っても出ないと思います。
多分人間の歌声自体に「人は孤独ではない」というメッセージが含まれてしまうからではないかと。
 それに加えて、ボーカロイド作品がなんとなく一人が頑張って作っているような印象(実際はどうなのか知りませんが)があり、これも凄い孤独さ・孤高さの演出に繋がっていると感じています。

 そしてその孤独の背景から、ほろっと人の愛みたいなものを歌われると、ぼろっときてしまいます。
孤独も心も知らないのに人間を愛す歌を歌うボーカロイドに感じる健気さ、この辺に感情移入するとボーカロイドにはまれるかなと思いました。