映画「なくもんか」面白かったです

 実の親に捨てられたことで生き別れた、兄・祐太(阿部サダヲ)と弟・祐介(瑛太)の再会を通して描いた家族の物語「なくもんか」が面白かったです。
 阿部サダヲの究極の八方美人でありながら本当は誰にも心を開いていない気持ち悪さの演技が素晴らしかったです。そういう気持ち悪さや嫌悪感を残しつつも、滑稽さや不謹慎な笑いによって何となくまとまっている、落ち着かない空気が作品全体の家族の難しさみたいなテーマを上手く現しているように感じました。
 また竹内結子が演じる祐太の義理の妹である徹子は祐太以上にメチャクチャでぶっ飛んだキャラクターでしたが素晴らしく演じていました。特に啖呵を切るシーンなどは最高でスカッとしました。
 個人的にはそんな濃いキャラクター達を大暴れさせられるスペースを作るために一歩引く演技をし続けた瑛太が一番好きだったりします。