Win-Winという言葉で思うこと

 Win-Win(「自分も勝ち、相手も勝つ」取引などにおいて、関係する両者ともにメリットのある状態であること…)という言葉をよく聞くのですが、ぼくはこの言葉があまり好きではありません。
 特定のコミュニティの中だけが潤っているのを強調していて、外部コミュニティからどう見えるかの配慮を欠いているように聞こえるからです。
 たとえば野球の試合で、「負けたけど良い試合をお客様に見せたことで興行が盛り上がったからWin-Winだ」と選手やオーナーが言ったら、観客はさめた気持ちになるし、デザイナが店舗を素晴らしくデザインしてお客様が沢山いらしてお店が繁盛した場合でもお店とデザイナがWin-Winと語っているのを聴くと良い気分はしないと思います。
 チームが勝つために観客が自分の生活をやりくりして応援に来てくれたり、お客様がお店が儲かるようにやりくりをして通ってくれたりしていることを考えると、あまり大きな声で語るべきことではないように感じます。