ライトノベル化物語(下)も面白かったです

評価:
西尾 維新
講談社

¥ 1,575

(2006-12-04)

 以前に上巻の感想を書いた、西尾維新によるライトノベル作品、『化物語』の下巻もとても面白かったです。
 この巻では人を助けずにはいられない阿良々木のいびつさが濃く描かれていて、なでこスネイクではどこの誰とも知らない千石の敵となる人間を助けるために命をかけようとするような道徳的には素晴らしいけれど、人間としては不自然という部分が強調されています。
つばさキャットではその代償が描かれていたと感じました。
 ぼくは(こう見えて意外と)人類愛的・道徳的な発想が強く、身近な人と同じ人間という程度しか接点のない人を同じように扱おうとするところがあるので、なんとなく嫌なところを突かれたような気がしました。
 身近なコミュニティの結束をまとめていくような事が、とても苦手なのはこの辺りかなと改めて思います。
そしてそういう阿良々木を上手く導き恋人にしてしまう戦場ヶ原の恋愛の巧みさはすごいなあと関心しました。…ああいう恋人を持つと人生充実すると思うなあ。大変だろうけど。
 などという深い事を描きつつも、女の子との楽しいおしゃべりのウェイトが重く、なでこスネイクの神原との猥談まがいの会話はなんか若い頃を思い出しました。って、ぼくの場合学生時代よりも社会人になってすぐくらいの頃ですが。。。