アニメひぐらしのなく頃にが面白かったです

評価:
坂井久太,竜騎士07/07th Expansion,川瀬敏文
ジェネオン エンタテインメント

¥ 6,200

(2006-08-04)

 同人サークル07th Expansionが制作したサウンドノベル(ビジュアルノベル)、ひぐらしのなく頃にのテレビアニメ版を観ましたがとても面白かったです。
 ちなみに原作であるサウンドノベルとアニメとのおおざっぱな関係は、「出題編」が「ひぐらしのなく頃に」、「解答編」が「ひぐらしのなく頃に 解」、「番外編」がOVAの「ひぐらしのなく頃に 礼」に相当するようです。(サウンドノベル版をやってないので確実ではありませんが)
 そして全編を通して、同じ時間を繰り返すようなパラレルワールドを描く事で、キャラクターの内面や、村で起こる事件の真相に迫っていくという手法がとられています。
 「ひぐらしのなく頃に」は、「出題編」の鬼隠し編、綿流し編、祟殺し編、暇潰し編、「解答編」の目明し編、罪滅し編の6編で構成されていて、いずれも大きな謎を残したり、凄惨な終わり方をします。
全編を見て改めて振り返るとこの時点で推理を楽しむ事も出来そうですが、僕は単純にホラー作品としての怖さと、キャラクターの心理描写を楽しんでいたように思います。
 特に回を重ねるごとにだんだんと心を開き結束していくキャラクター達は感動的で、「ダメだった圭一が立派になって」というような部分からぐいぐいと物語に引き込まれて行ったように思います。
 おそらく制作者がもっとも語りたい事は、「ひぐらしのなく頃に 解」にあるけれど、そのメッセージは心を開いた人にしか伝わらない。そのために「ひぐらしのなく頃に」では、心を閉ざしてしまう人の気持ちに常に寄り添っていて、少しずつ導いていくという手法を取っていると感じました。
…しかもその部分がこれほどまでエンターテインメントとして楽しめるものになっているというのはまさに非凡と感じました。