映画「インターステラー」面白かったです(ネタバレあり)

 クリストファー・ノーラン監督による映画「インターステラー」が面白かったです。

映画『インターステラー』オフィシャルサイト

 ヒューマンドラマとしても素晴らしいため、ハードSF作品かどうかというとぼくの知識だとなかなか言い切れない部分もあるのですが、考察サイトをアレコレ眺めているとトンデモと感じる出来事の多くに科学的に「まああり」くらいには根拠もあるらしいので、個人的には初めてSF小説っぽい楽しみ方が出来る映画作品だったと感じました。
(「2001年宇宙の旅」などにも同じ魅力があるという意見もあるのですが、初見当時のぼくはあんまり理解しないままあらすじだけを知ってしまい、SF的な楽しみ方は出来ませんでした。。。)

 ぼくはSF小説が好きで古典的な超名作を少しずつ読んでいるのですが、そんなぼくがSFとして面白いと感じるのは、巨大な問題に科学的に立ち向かい克服する部分がメインになっているかどうかだと思っています。
インターステラーの場合、人類が住めなくなった地球を離れなくてはならないという問題に対して、クーパー父娘が科学的な解決をしたという点が気に入ってます。
 マーフが解読した「重力の方程式」がどんなものだったかは分からなかったし、またジョセフによる5次元を利用した伝え方が科学的といえるのかみたいな辺りは意見が分かれますが、「科学的にまああり」ならまあ良いかってノリでぼくはSF的に興奮・満足することが出来ました。

 またインターステラーがまだ現代とも言える2014年の作品というのもとても嬉しいです。
 古典SFなどでは「未来に起こることを予言している」ような点が称賛されることがありますが、ぼくは文学である以上は「その時代に必要な予言」を描くことはとても重要であると思っていて、インターステラーで描かれる前向きでハッピーな終わり方はとても嬉しかったです。
 …特にアーサー・C・クラークの「幼年期の終り」など突き放したSF作品を読んでいると冒頭から地球脱出は諦めつつ観ていたのですが、それがスパイスにもなったりしたのか、最後物凄く「やっぱこっちだな」って気持になりました。