銃夢 LastOrderの星の保育園協会が良いなあと思いました

 木城ゆきとによる漫画銃夢 LastOrderに登場する、星の保育園協会が良いなあと感じました。

 銃夢 LastOrder、星の保育園協会については、下記解説が分かりやすいです。

銃夢Last Order NEW EDITION(1) (イブニングコミックス)

銃夢 LastOrder – Wikipedia

星の保育園協会(S.N.S/ステラ・ナーサリー・ソサエティ)は、同世界では不老不死技術の発達から人口抑制政策もあって違法とされる子供(児童)を保護し、15歳になるまで養育を行っている団体。
カエルラ・サングウィスによってes.494年(2450年)に設立された。こういった児童らは作中世界では簡単に処分されてしまう存在であり、こういった権力側の弾圧に対抗して武装組織ともなっている。多くの武人を擁しており、一介の保育士であっても相当な体術を心得ている。

 銃夢(ヤングジャンプコミックスBJ版)の頃はバトル要素が強い作品ながら過酷な世界感もあり、主人公ガリィが自分自身のために戦うことで物語が楽しめました。
 それが続編 銃夢 LastOrderになると彼女自身の成長や、人間関係や社会との繋がりの拡大、作中で扱える力や科学技術の高度化…あるいは作品への反響と作者の心境の変化に伴い、強力な力を全力で振るうに足る「戦う理由」が重要になったと感じました。
 そんな中、ゲストチームながら、戦う理由を「子供の保護」と位置づけた、星の保育園協会はとても興味深かったです。

 上記の通り銃夢の世界は、ある種の子供は人権が守られていない…どころか処分されるという非常に過酷で、それでいて現代にもどこか通じる痛烈な皮肉の効いたSF設定があり、興味深く臨場感もあり、そんな世界で子供を虐待する社会と戦う保育園というのは、育児をやっているぼくには、自分でも驚くほどに格好良い存在に映りました。

 幸いぼく自身の育児体験では社会はありがたい存在でしたが、SFを通すことで、子供のために戦うということに共感し勇気づけられ、日頃意識していない自分の願望を見つけることが出来ました。