以前にも記事にした、漫画家・水木しげるの夫人・武良布枝が著した自伝をドラマ化した、ゲゲゲの女房が今でもずっと面白いです。
貧しい暮らしの中でも一生懸命に生きることの気持ちよさや、貸本漫画に対する抗議団体の描写など要約した理論では伝わらないぐっとくるものがあるように感じます。
抗議団体と表現規制法はどうもかぶる部分があるのですが今も昔も「子どもに見せたくないものと自分が表現したいこと」との対話が抜けたまま進んでいるなと思いました。
また、規制を受ける側にどういうダメージがあるかが現在はどうもゆるくしか語られていないと感じます。
日々の暮らしには困らなくなっている偉い先生の「表現の自由がなくなることは危険だ」という言葉はどうにも机上の理論に拍車をかけているように思います。
…たとえば若手で生活を賭けて人気のための作品を描いている作家さんが「今時は近親相姦やら派手な陵辱のある作品を描かないと売れないんです!食えないんです!」(←いや現実がどうなのかは知らないんですけどね)と語って行く方が、現実の問題としてとらえられるし、さらに消費者の嗜好をあらわにしてくれるように感じます。
おそらく来週のゲゲゲの女房では規制を受けた側のダメージをしっかり描いてくれそうなので引き続き注目したいです。
連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」が面白いです | Office Nakao