ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン がKindle Unlimitedで読めます

Amazonによる、月額980円(税込)で和書12万冊が読み放題になるサービス、Kindle Unlimitedで、ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンが読めるようになっていました。

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ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (電撃文庫)

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンとは

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンは、宇野朴人によるライトノベルで、2016年7月~9月までアニメ化もされており、何度か感想を記事にしています。
…帝国と共和国間の戦争を描いた戦記物で、著者が銀河英雄伝説ファンであり執筆時にモデルとしているそうで、銀河英雄伝説好きにぐっとくる描写が多数あります。

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このタイミングなのでネタバレ感想を

過去の感想などでもネタバレをさけるためにあまり踏み込んだ感想を書かないようにしていたのですが、まあ…完結は2018年にしており、ずっと期待しているアニメの二期も無さそうだし、Kindle Unlimitedで全巻読めるようになったこのタイミングで、踏み込んだ感想を改めて書いてみたく思います。

全14巻を通して、1巻のラストで予告されたカトヴァーナ帝国の「約束された敗北へと続く戦い」をじっくりと描き、12巻では「ねじ巻き精霊」というファンタジー的なマスコットキャラクターが登場する世界の説明をSFとして描き、多くの魅力的な登場人物も丁寧に描かれた、素晴らしく完成された作品であると思います。

しかし個人的に一番のクライマックスと感じたのは、7巻でのヒロイン「ヤトリシノ・イグセム」の死でした。
…酷いネタバレ申し訳ないのですが、Googleで「天鏡のアルデラミン」と検索すると予測変換で「ヤトリ 死亡」と出てくるのでもう良いっすよね。

ネットのレビューなどでは、ヤトリよりもう一人のヒロイン「シャミーユ・キトラ・カトヴァンマニニク」を推す意見や、ヤトリを苦手とする意見も散見しており個人差があると思いますが、ぼくにとってはヤトリが絶対のヒロインという位置づけで、それは彼女の死後を描いた8巻から14巻の結末まで変わらないと感じられ、だからこそぼくは天鏡のアルデラミンが大好きです。
またヤトリの死が作品的な魅力を失わせたという意見に対しては、気持は分かるけれど、物語で描かれる歴史の流れ、戦記物語としての通すべき筋、そして何よりもヤトリというキャラクターを思うと、どうしようもないというかこれしかないと、諦めがつき、この点は作品よりも、宇野朴人さんという作家が大好きになりました。

作中でイクタは「あらゆる英雄は過労で死ぬ」と主にキオカ共和国の不眠(ねむらず)の輝将ジャン・アルキネクスに向けて語る様に描かれていますが、その言葉が象徴する「英雄とされることの理不尽さ」から一番救いたい…イクタの言葉を借りると「攫いたい」…と思った相手はヤトリだったと思います。
それが叶わなかったイクタを思うと滅茶苦茶切ないです。
…余談ですが、アニメ版のエンディングで描かれているヤトリは、アニメ版以降の物語で描かれるイクタと戦うための準備として、ヤトリが精神的に自分自身を徹底的に殺すシーンがモデルだと思うんだよなあ。

そして、ヤトリを見送ったイクタも英雄となり、物語の最後に下す決断がどういったものなのか…ここまでネタバレを描いておいて何ですが、ここに関しては、まだ今回は伏せておきます。
語りたい事は沢山あるのですが、今回一番語りたいことは、上記だったので(笑

ということで(?)、天鏡のアルデラミン、気になった方は、是非とも7巻まで読んでみて下さい。
…トラウマ級の切なさを楽しめること請け合いです!