フード理論って面白い

 最近、改めてTBSラジオで放送されているラジオ番組ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフルのコーナー「シネマハスラー」にはまっています。
その中で語られた、お菓子研究家福田理香がフードからの目線で映画、ドラマ、アニメの構造を露わにした、フード理論ってのがとても面白いです。
 原則として
1 善人は、フードをうまそうに食べる
2 正体不明者は、フードを食べない
3 悪人は、フードを祖末に扱う
の三つがあげられており、なるほどなあと感じさせられます。
…宮崎アニメの食事シーンなどについても触れられておりかなり面白いので、興味がある人は是非ググってみてください(投げやり?)。
 このフード理論が複雑に効いてるなあと感じたのが、2009年に公開された映画「ハゲタカ」の玉山鉄二演じる劉一華の描写でした。
 基本的には悪役ですが、根っこは良い奴かもしれないって期待や、それすら計算しているかもという頭の良さを持ったキャラクターですが、その怖さが露わになるのが高良健吾演じる守山翔をそそのかすシーンで、彼はビックリするぐらい美味そうにファミレスで食事をするのですが、その姿は「すげぇ良い人」に見えてしまいます。
 …上述の通りそれは守山をそそのかすための演技ですが、その後の守山への対応も含めて「絶対良い奴ではないけれど、本当に悪い奴なのかは分からない」という何者かが分からない劉一華を決定づけたように思います。
 という案配にやっぱりフード理論って奥が深いなあと思いました。
 ちなみに、現実社会においてはこのフード理論、ある程度のコミュニティを仕切る親分的な人は当然のように利用しており、また相手を見極める基準にもしているので最も基本的な処世術としても把握しておくのは大切かなあと思います。