弱点を突く勝ち方

 電王戦第5局で阿久津主税八段(32)が21手でソフト「AWAKE」を破ったというニュースを受けて、「コンピュータのバグを突くのが興ざめ」とか「棋士はデバッグ担当じゃない」みたいな意見がありますが、個人的には相手の弱点を突く戦術って格好良いと感じています。
 むしろそういう揺さぶりが対人の対局でも行われているのかなとか、今回の「AWAKE」みたいな弱点が(あそこまで露骨では無いにしろ)各自にあってそこを狙いすまして勝負を賭けたりしてるのかなあと…ってまあやってないわけ無いのでしょうがそういう相手を陥れる心理戦の有効性ってあまり余り意識してなかったので、色々新鮮に思いました。
 そして今後将棋ソフトが「相手がバグを誘ったり、弱点を突いてくる」ことにどういう対策を立ててくるのかはとても楽しみです。
特に練習将棋中にばれたバグや負けパターンみたいなものを自動で修正するような機能が進化すると手強いだろうなあと思いました。
…つか、練習中に見つけたバグを突くのがありなら、練習中に嘘の弱点を見せるみたいなのもアリになるのかしら。
 ちなみに「コンピュータがプロ棋士を負かす日は?」という問に羽生善治は「2015年」と答えつつもその後に「そのときは桂馬が横に飛ぶとかルールを少しだけ変えればいいんです」と語っていました。
 その意図が「新しいルールへの対応は人間の方が早い」という自信か、「必勝法が決まったゲームはルール修正するべき」という考えからかは分かりませんが、格好良いなあと思いました。