読者ハ読ムナ(笑) いかにして藤田和日郎の新人アシスタントが漫画家になったか 読みました

 富士鷹ジュビロじゃない藤田和日郎さんによる読者ハ読ムナ(笑) いかにして藤田和日郎の新人アシスタントが漫画家になったか 読みました。
漫画家に限らずあらゆる制作業、あらゆるプロフェッショナル、つかもういっそあらゆる人間の人生の参考になる書籍だと思いました。

 ぼくが好きだったのは、徹底的に言語化することの大切さを語っている部分でふんわりした言葉…例えば「漫画に正解はない」とかを認めないところです。
藤田先生的には、編集者の言う「漫画に正解はない」=「ヒットするのを描いて欲しいけど、ヒットするのって編集者としてもよくわかんないから、具体的に、ハッキリとは言えないんだよ。言わせんなよ」なんだそうな。
 …まあそこまでなら島本和彦先生が笑えて面白いマンガにしてくれているのですが、藤田先生はそれと同時に編集者が完成品に対して下す善し悪しはとても高く評価していて、それを取り入れないと良い作品は出来ないので、ふわっとした言葉を具体的な指示にまで橋渡しできる言語化力、さらに具体的な言葉になるまで質問し続けるコミュニケーション力の必要性を語っています。

 自分では作れないしどう悪いかを具体的に語れない相手(編集者であり読者)の方が、制作者が我が子のように魂を込めて作った作品の善し悪しを正しく判断出来るっていう現実は、制作者が素直に認めるのが本当に嫌な点なのに、そこに踏み込み、そんな話は聞きたく無い読み手にちゃんと腑に落ちるように語られているのって凄いことだと思います。
読み手の腑に落ちる理由は、藤田先生自身が未だにその嫌さに耐えて血を吐くようにしながら作家を続けているとう描写があるからだと思います。
…ありがちな本だと、編集者を悪者にしたり、偉い人の言葉のおかげで自分はもう悟れたとか、若い人はよくやるみたいに、自分を棚上しちゃいがちで入ってこなくなっちゃうんだよなあ。

 ちなみに、島本先生もその辺は当然分かっていて(行間には溢れているけど)熱いヒーローギャグマンガ家がそれ描いても面白くないだろうとギャグアレンジをされて、深く直接的に語るのは避けられているように感じます。
その辺、ホラーから入った藤田先生は「世界中の子どもたちに愛と勇気をね!与えてあげる前提で、まず怖がらせるだけ怖がらせてあげちゃうよーん!一生残る恐怖と衝撃で、一生残る愛と勇気をね!」的なノリがあって(←島本先生 吼えろペンよりw)、だからこそこのみんなが避けたがる辛くて苦い話題をゴリゴリ掘り下げられるのかなと思います。

 って上手く伝わったかなあ、以下の解説の方が良さが伝わると思うので是非ともこちらも一度読んでみてください。

藤田和日郎の『読者ハ読ムナ(笑)』が面白い! – FREEexなう。

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