日常系作品の魅力

 日常を描いた作品のどこが面白いのかってなかなか説明しづらいですが、ぼくは「なんでもない日常が面白く見えるアングルの提案」って部分が魅力かなと思いました。
 例えば「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」などは、喪女の黒木智子を通して、「周りに対して控えてしまいいつもビクビクしている」という誰もが覚えのある経験を、自虐だったり他人の不幸は蜜の味みたいに、面白おかしく語れるアングルから描いているなあと思いました。
 文学で例えると随筆(エッセー)と近いのかなあと思うのですが、エッセーマンガという分野は既にありそちらは、ノンフィクションであることが重視されているので、日常系作品は「誰かのエッセーをフィクションキャラクターに演じさせている」みたいなものなんだろうなと。
 そして、キャラクターがどのくらいリアルなのか?と起こる出来事がリアルなのかのバランスが、この分野の個性の一つなのかなと思います。
 萌日常作品でいうと、キャラクター・出来事ともにリアルなのが「それでも町は廻っている」で、出来事がリアルなのが「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」で、どっちもリアルでないのが「日常」だなと勝手に分析してます。
 萌えじゃない作品だと、キャラクター・出来事ともにリアルなのが「アオイホノオ」で、出来事がリアルなのが「燃えよ!ペン」で、どっちもリアルでないのが「サルでも描けるまんが教室」かなと分析しています。
 ちなみに、キャラクターがリアルで起こる事がリアルでないは、漫画全般がそれに該当してしまうなと思いました。