顧客ターゲットという考え方

 「顧客ターゲットを明確にする」というと、デザインとかサービスを企画するとき、どういう人達に向けて発信するものかというものでとても重要です。
例えば上から目線で男性との違いを強調した言い回しは男性には嫌われるけれど、女性だけに向けた広告としては受けが良かったりします。
 だから顧客ターゲットが男性の場合タブーだけれど、女性の場合はアリ…なんていうのは作り手側の都合であって、顧客側は全然意識していません。
女性誌の電車中吊り広告を男性が見て「なんだあれ?」と失笑したなんて話はよく聞きますし、男性誌の言い回しに女性から「差別用語だ!」などと批判が来たりします。
 先日、ある広告について語る機会があった際に、制作やらに携わっていない人は、自分の目の前にある情報は全て自分をターゲットにしたものであると考えており、そして自分が顧客ターゲットでない情報に強く反応するようでした。
 自分に最適化された言葉は聞き飽きてスルーできるけど、他人に最適化された言葉は新鮮さもあり反応してしまうのかも知れません。
…結局、ターゲットとなる顧客層に対しては目立てず、その他の人を不愉快にする情報があふれる流れにあるように感じます。
 この事から、制作側の顧客ターゲットを明確にするという考えが、顧客を置いてきぼりにして行きすぎてると思いました。