自分は自分だけのものでないという感覚

 骨髄バンクのドナーになって、自分にもしもの事があったら骨髄を待つ患者さんの命に関わるということから、自分の体に自分以外の命が関わっている感覚があります。
そうなった時にそれまではやろうとしなかった、自分を大切にする行動、例えば健康管理などが出来るようになりました。
もしかしたら妊娠した女性も似たような事を感じているのかも知れません。
 また、ドナーになるための家族の同意を得る時に母親に強く反対された際には、自分の体を自分の信じることに使うのにも、多くの人を巻き込み彼らの同意を得なくてはいけないという、責任のようなものを感じました。
 そういう体験をすると、簡単だと思っていた自分だけを大切にするということが全然出来ておらず、また自分勝手に自由に出来る事は限られた小さな事でしかないという実感を得て、人との関わりの重要さを改めてつかむことが出来ました。