ライトノベル化物語面白かったです

評価:
西尾 維新
講談社

¥ 1,680

(2006-11-01)

 西尾維新によるライトノベル作品、『化物語』が面白かったかです。
夢枕獏の陰陽師に似た印象がありとてもぼく好みでした。
 ひたぎクラブでは、自分では持っていられない感情をなくしてしまいたいという願いに応じる怪異や、するがモンキーでは公に望むことがはばかられることを違う望みに置き換えたのに上手く曲解して本当の望みをかなえる怪異など、人間がいかに言葉の影響を強く受けているか、そして言葉は隠したり否定しても決してなくならず、むしろより大きな影響を人生に与えるという事が描かれているようでとても面白かったです。
 まよいマイマイでは怪異の切なさがぐっと来ました。「頭を撫でられそうになったら、その手に噛みつかなくちゃいけない奴の気持ちなんて…」など心の痛さを察する言葉回しなどは最高でした。
 などと禅問答のような深淵なテーマを描きつつも、全体としては萌えをプッシュしたライトノベルで、個性豊かで魅力的ないろいろな女の子と主人公との、お笑い混じりのちょっと色っぽい会話が作品の大部分を占めていてとても読みやすいです。
 そして、ああいう男女の会話こそが、ラノベ読者にとって一番魅力的に見えるものなのかなと考えると、その辺を見越して描いているようで西尾維新すごいと思いました。
 うーん。書きたいことがいっぱいなので、下の感想はまた別記事にいたします。