鉄血のオルフェンズが引き続き面白いです

 10月から放送中の機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズが引き続き面白いです。
 最初は少年兵が露骨な表現で人を殺すシーンなどに嫌悪感と違和感を覚えたのですが、鉄血のオルフェンズの世界感にはまるにつれて高揚感の方が強くなってきました。
 特に格差によって良い思いをしている人に対する鬱憤や怒りの描写が素晴らしく、これはここ数年の実社会でも感じていたものを分かりやすく物語にしてくれたなあと感じました。
 格差が出来る仕組みを指摘するだけであまり触れられなかった、格差によって良い思いをしている人の危機感の乏しさや無意識な傲慢さなど迷惑だったり腹の立つ部分をデフォルメして描き、それを主人公達が容赦なくぶっつぶしていると思うと、序盤の暴力的なシーンはむしろ爽快です。
 余談ですが格差に対してこれほどシビアになったのは、一つは良い思いが出来る人数の限りが見えて来たという先細り感と、多くの人にとって親世代が作った格差を自分世代では逆転できないという行き詰まり感によるところが大きいと思います。
 そして鉄血のオルフェンズが面白いと感じる一番の理由は、どうすれば良いのかを示している点で、ここまでで強く感じたのが「リスクを取って思い切った行動をする」で、それは毎回素晴らしい演出と共に見せ場になっていると思います。
 と同時にこの作品自体がものすごいリスクを取った作りだと思います。
例えば少年兵が次々と人を殺すとか、主人公達が自主的に(戦争によって仕方無くなどではなく成り上がるため)他人に暴力を振るうとか、今時のアニメが避けることにどんどん挑戦しているように思います。
 ガンダムというアニメタイトル格差では圧倒的な勝ち組にいるにも関わらず、この挑戦を日曜日の夕方という時間帯にやるというのは、本当すげえなあと思います。