爆笑問題の日曜サンデーのスタジオジブリ鈴木敏夫さんのインタビューが素晴らしかったです

鈴木 敏夫
中央公論新社

¥ 1,944

(2013-08-10)

 2014年3月9日爆笑問題の日曜サンデーのスタジオジブリ鈴木敏夫さんのインタビューが、これまでの鈴木さんに対する印象が良い風に変わり素晴らしいなあと思いました。
 鈴木さんはメディアに出る機会も多く、ジブリ汗まみれなどでは本音に近い部分を語るシーンも多いのですが、それでも大人として相手を立てることはるけれど、基本は偉くておっかない人という印象が強く、サブカル系の論客が彼を語るとたいていはそんな感じになり、その権力と性格で色んな人を泣かしたりやっつけたりしているイヤな人なのかなあと思っていました。
 それが日曜サンデーのインタビューを聴くと、少なくともイヤな人という印象は無くなったように思います。
ネットなどに色々あれされているので、実際に聴いて頂くのが早いと思いますが、鈴木さんの言葉遣いがいつもより砕けていて、言っているのは余所で聴いた話なのに聞こえ方が全然違いました。
 変化の原因は、一つは太田光さんの不遜で物怖じしない物言いと、田中裕二さんの実は空気を読まずぶちこわすひどい事大好きなノリが、宮崎駿さんや高畑勲さんについて語るときも変わらないというのが大きいと思います。
 鈴木さんが彼らとのつきあいについて愚痴をこぼすというのは、色々なインタビューで結構多いのですが、聴き手が神格的にジブリを尊敬していたり、人前でディスっても良いことないのを察してか、「偉大な人は違うねえ」みたいな空気になるところ、太田さんはケラケラと愚痴やら悪口に乗るので、鈴木さんも機嫌良く話しているように感じました。
 などと思う事は尽きないのですが、サブカル評論の世界では、好印象を受ける機会が少なかった鈴木敏夫さんの印象が、お笑いの爆笑問題のインタビューでこれほど変わるのはビックリでした。
 一方で、立川談志さんやビートたけしさんが、太田さんをとても高く評価している(た)という話も聴くので、鈴木さんもそれに似た何かに惹かれたのかなあと思っています。