藁の楯 で思ったこと

 ビー・バップ・ハイスクールのきうちかずひろ原作の映画、藁の楯を観て色々思うところがありました。
…のだけれど、きうちかずひろに対するリスペクトとか小説家としても活躍しているんだあみたいなところから、良い作品だったかもとなんか気持が流れるのですが、まあそれを置きつつ、思ったことを思い出しつつ書きたいです。
 前提として、映画版に関してはのれなかったです。
 定番の突っ込みである「防弾チョッキ着ろ」などは実はそれほど気にしてはおらず、それよりも大富豪・蜷川による「快楽殺人犯・清丸を殺した者に10億円を支払う。」「殺人罪の判決を受けたものが賞金を受け取れる。」って広告だけで、警察の現場にまで離反者が出たという点でした。
 これは警察の正義を信じているよりも、よく蜷川を信じて行動するよなあという点と、「警察関係者がやったら金じゃ割りにあわないナニするぞ」というプライスレス(恐)ルールあるだろってことを鑑みてです。
 またこの作品で問われる価値観や問題が、数週間で元に戻る一瞬反転したものが多かったのも気になりました。
 例えば蜷川がどれほどの権力を持っている大富豪だとしてもこの件では失脚するだろうし、そうすれば警察内部に裏切りが出る以上に彼の組織にも裏切りが起こり、まあ支払いどころでなくなると思います。
 同じく、清丸に守る価値があるのか?という問題も、仮に守り損ねたら後で大問題になってしまい、銘苅が最後まで守ったのは、先のことを冷静に考えられる利口な人だったからってキャラクターとしてつまらないし全体の演出にもあわないと感じました。
 などと書いていて思ったのですが、事後を予測出来る程度に頭が良くて周りの人間を説得出来る人が居たら簡単にさばける事件じゃんと感じてしまったのが、一番のマイナスかも。