残響のテロル改めて観たらメチャ面白かった(ネタバレあり)

 当初注目してた菅野よう子さんの音楽や演出などビジュアルは最高でした。
キャラクターも魅力的で序盤の三島リサはめちゃ可愛く、またツエルブも友達に欲しいキャラだし、見た目に反して案外ノリの良いナインも素敵でした。
 物語はナインたちスピンクスの目的が、「極秘で非人道的なアテネ計画を晒すことで、かつて自分達が巻き込まれた復讐を果たす」…だけと考えるともっと良いやり方あったのでは?と思ってしまうのですが、加えて「極秘裏に原爆を開発するほどに暴力と非人道に流れようとする(作中の)日本への警告」だったと考えると面白かったです。
 中盤、ハイヴの何も得してないぶっ飛んだ行動と、非人道のレッテルを恐れて丁寧に付き合う(ように見える)スピンクスに混乱しましたが、全編を二回観たら割と納得でした。
 アテネ計画によって非人道的に作られてしまったハイヴが、彼女を見捨てて逃げた上に、偉そうに非人道を批判するスピンクスに執着するのは当然で、スピンクスは非人道のレッテルを恐れたよりも、ハイヴの打つ手が極秘裏の原爆やアテネ計画への隠蔽に繋がるものだったからと思うと彼らのドライなイメージとあいます。
 ハイヴがそういう合理的な頭脳戦の合間にリサを使って「非人道的になっても仕方無いじゃん」みたいなちょっかいをちょくちょく出してくるのがいじらしかったです。
 柴崎はスピンクスとハイヴの手のひらの上で翻弄されていると思ってたら最後に大きな責任と力を与えられており、いわゆる大人の視聴者へのメッセージを意識していたのかなと感じました。
 リサは出来ることが無いように見える人ほど、ムードメーカーとしてチームの気持を作っていく役割に一番関われるという、若い(と言っても社会人だろうなあ)視聴者に向けたメッセージを意識していたと思いました。
 と言う風に、なんか分かりにくいと批判する前に、改めて通しで観たら、思いがけず面白くビックリしています(笑