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ビリー・レイ監督、ヘイデン・クリステンセン主演映画、ニュースの天才がとても面白かったです。
スターウォーズのアナキンも演じたヘイデン・クリステンセンによるスティーブン・グラスが当然(彼が演じるので)格好良く、ちょっと軽薄なところもあるけれど仕事はやり手で誠実で人間的な魅力にもあふれており、それによって映画にぐいぐい引き込まれて行きます。
舞台はスティーブンが記者を務める、アメリカの権威ある政治雑誌『ニュー・リパブリック』の編集部で、彼のビジネスサクセスストーリーを中心に描かれていきます。
でまあ、ネタバレを書く前に、個人的にぼくはこの作品のモデルとなった史実を知らずどういう物語か知らずに観たのですが、そのおかげで終盤非常に楽しむ事が出来ました。
たぶん、その辺の嬉しさをツラツラと書くと思うので、まだ見てない方はここでご一考下さい。
って引っ張るほどの話ではなく、スティーブンは多くの記事をねつ造しており、物語のクライマックスでそれが証明されるという物語です。
ただ物語の演出が、スティーブンがねつ造をしたのか、誰かに騙されていたのか、ミスをしてしまったのか、はたまた何かの陰謀に巻き込まれていたのかを混乱させるようなものでそれがぼくは大好きでした。
序盤のスティーブンは非常にやり手で好感を持てるところから始まるのですが、物語が進むにつれて「アイツでもミスはするんだな」「意外と鈍くさいやつだぞ」「こいつ無能じゃないか」「精神を病んでるんじゃないか?」「うわこいつ嘘吐きだ」という順番に正体のばれるプロセスが滅茶苦茶面白いです。
オチを知っていれば序盤がかなり痛々しいものだろうし、それはそれで楽しめると思いますが。
そしてこの物語で称えるべきは、ピーター・サースガード演じる、ニュー・リパブリック編集長のチャック・レーンで、頭ごなしではなくむしろスティーブンの信頼を回復させるべく地道に調査を行いその結果に対しては、社内のスティーブンを信用する人間と対立してでも厳正に向き合ったこと、そしてそれらが自身の責任問題にも及ぶ不祥事だったにも関わらず徹底して究明し続けたことが素晴らしかったです。
こちらも、オチを知っていれば最初から彼を応援出来るのですが、序盤から中盤にかけては彼が悪役という可能性があったし、後半にかけてはスティーブンの悪意を読み取ることが非常に難しいという演出もあり、最後にチャックの正しさが証明されたシーンは感動しました。