竜とそばかすの姫が素晴らしかったです(ネタバレあり

細田守監督作品「竜とそばかすの姫」が素晴らしかったです。

「竜とそばかすの姫」公式サイト

感動的で説得力ある美しさ

音楽と映像が圧倒的に美しく、冒頭での主人公すずのAs(仮想世界Uでの分身、アバター)ベルのミュージックビデオ(っぽい)シーンを見ただけで泣くほど感動しました。
ミュージカルっぽい演出で物語でも歌が重要な意味を持つ作品で、随所の歌唱シーンの美しさが説得力となり魅き込まれました。
…これは、グランドシネマサンシャインのIMAX®レーザー / GTテクノロジーによるスクリーンで観た影響も大きかったと思います。
IMAX特設サイト | シネマサンシャイン

言葉にすると失われる自由さを感じた

物語やテーマは込み入った深いものでしたが、それらを強い言葉に要約させない(できない)掻い潜るような構成がされており、人によって異なるエモーションを楽しめる(エモいって言葉ほど断定的でもない)自由さが魅力と感じました。

好きなシーンをツラツラと(ネタバレあるかも

上記のように物語やテーマを言葉で要約した感想を書くと、自由さや面白さが損なわれるような気がするので、観ている時に感情が振り切れたシーンをいくつかピンポイントでピックアップして感想を書いてます。
ストーリーを網羅しているわけでもないし、物語上重要だけど淡々と観ていたのでスルーみたいなシーンもあり、未見の人には意味が分からない割にネタバレになるのでご注意下さい 汗
シーンの確認には下記の記事を参考にしました。
素晴らしくまとめられてますのでお勧めです。

竜とそばかすの姫|ネタバレあらすじ感想と結末の解説考察。竜の正体も明かされて圧倒的な歌唱力と映像美で人間の二面性を描く

冒頭のベルのミュージックビデオ(的)なシーン

上記の通り、唐突に泣かされました。

すずがUで初めてベルになった

母親の死をきっかけに、好きだった歌が歌えなくなり、自分への自信も失ったすずが、仮想世界Uの中では美しい容姿と歌唱力あるAsベルになるシーンは、ビジュアル歌唱演出ともに素晴らしく、異世界のトレンドが変わるインパクトがあると感じました。
テクノロジーによって障害が補われる素晴らしいシーンですが、映画の「アバター」の様に切実に描かず、YouTubeでバズったみたいにコミカルに見えるように演出しているのが素晴らしいと配慮だと感じました。

竜とベルのふれあい

華奢なベルを、竜が恐ろしい爪のある大きな手で、傷つけないように抱き寄せる描写に「おおかみこどもの雨と雪」を思い出しました。
男側の何かしらの感情を表してるように感じて、何にか分からないまま共感してしまうんだよなあ。

すず失恋?

すずの心境は複雑だろうし悲しさには大いに共感しつつも、可愛いなあと感じてしまうすずのまっすぐな泣き方が、「時をかける少女」っぽくて好きでした。

U内でのすず本人の姿でのライブ

感動的シーンなのですが、人前で歌うとか苦手なぼくにとっては、すずの緊張に共感し、本気で具合が悪くなり劇場から逃げ出したくなりました。
緊張のピークが過ぎ歌唱シーンが落ち着くと「なんか、マクロスみたい」と気持が盛り上がりました。
すず本人の姿で歌いはじめていたのが、いつの間にかAsのベルになっていたのが嬉しかったです。すずも好きだけどベルもすごく魅力的なキャラクターだし、魅せるキメ場でのベルの映えは最高です。

高速バス?内でのすずとお父さんとのやりとり

ギクシャクした関係だった子供(すず)と父親が、心を通じさせるシーンなんて、観たらそりゃ一瞬で泣きます。

しのぶくん派です

すずの恋愛対象は竜(の中の人)と感じる台詞回しも多いですが、ぼくは断然幼なじみのしのぶくん派です。
幼い頃のすずが母親を追いかけて自身も川に飛び込もうとしたのを、しのぶくんが引き留めるすごく短いカットで、ガチ泣きしてしまいました。
あの短いカットを見た瞬間、「期待していたものが観られた」「やっぱそうだよな」と感動したのですが、自分が、何を期待していて、何がそうなのかよく分からないです。

完璧さ正しさを消す感じ

登場人物にUの設定など作中におけるほとんど全てが、完璧でないし正しくないように描かれていると感じました。
しのぶくんすました顔でヒデエ無茶ぶりしてくるし、カミシン馬鹿男子で、ルカちゃんバグってフリーズするし、ヒロちゃん愉快犯だし、合唱隊の皆様も大人が高校生のすず一人に無茶させるし、竜はUの障害をポジティブに解釈するシステムによるバグチートだし、すずの父も無力さ出し過ぎだし、「ジャスティス」スゲエ無責任だし、高校生のすずが恵とトモを救うために選んだ行動は無謀すぎだろ…とまとめて書くと、最後のシーンも「ふーん、え?!(二度見 ああ(汗 まあ、良いんじゃないでしょうか?(苦笑 」みたいに感じます。
それによって、頼るものがなく先行きが分からない不安さを覚える一方で、ある種の責任から解放された自由を、ぼくは感じました。

IMAX®レーザー / GTテクノロジーのスクリーンがお勧めです

我ながらまとまりのない感想になってしまいましたが、本当に素晴らしい作品でお勧めです。
そして、映像と音楽が意味を持つ作品なので、是非とも映画館(やっぱりお勧めはIMAX®レーザー / GTテクノロジーのスクリーン)で、観られることをお勧めします。