万能鑑定士Qシリーズを読みました(ネタバレあるかも)

評価:
松岡 圭祐
角川書店(角川グループパブリッシング)

¥ 540

(2011-10-25)

評価:
松岡 圭祐
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(2010-04-24)

評価:
松岡 圭祐
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(2012-02-25)

 体調不良が続いていたこともあり、万能鑑定士Qシリーズをがっつり読んでました。個別の感想は改めて書くとして、ここまで全体を通して感想をざっくり書きたく思います。
 まずぼくが読み終わったシリーズ構成を整理すると、万能鑑定士Qの事件簿が全12巻、万能鑑定士Qの推理劇が全4巻、万能鑑定士Qの短編集が現在2巻、特等添乗員αの難事件が現在4巻を読みました。
 事件簿と推理劇は凜田莉子を主人公にした論理的思考(ロジカル・シンキング)法で一つずつ証拠を積み上げていき事件を解決する物語で、特等添乗員αの難事件は浅倉絢奈を主人公にした水平思考(ラテラル・シンキング)法でぶっ飛んだひらめきで事件を解決する物語です。
 知識を好む人は万能鑑定士Qを、引っかけ問題を好む人は特等添乗員αがオススメだと思います。
 短編集は莉子、絢奈以外に、万能贋作者こと雨森華蓮が主役のエピソードもあります。
 そしてまだ未読ですが、万能鑑定士Q 単体作品一冊が発売中、来年に二冊目が出るそうな。
 「面白くて知恵がつく 人の死なないミステリ」というキャッチコピー通り、全シリーズで一切の死が描かれず、万能鑑定士Qこと凜田莉子、特等添乗員αこと浅倉絢奈ともに社会人になってから良い師によって知恵を得て、社会的に自立していくという物語です。
 作品全体をとおして穏やでコメディなノリで、例えば万能鑑定士Qという呼び名は莉子が独立する際に師匠に半ば無理矢理押しつけられたお店の名称であり、しょっちゅう万能鑑定団などと言い間違えられて困っている描写が目立ったりします。
 以前に~事件簿の4巻までを読んだ感想を書きましたが、その時にやたら気になっていた莉子の絵のイメージが違うという点に関しては、原作とイラスト双方の調整によって(原作8:イラスト2くらいかな)、徐々に馴染んできて事件簿の12巻で思わずうなるほどのマッチをしました。
表紙のクールですまして表情は、犯罪を見抜いた瞬間だったりシリアスシーンのもののようで、親しい人に見せる表情はむしろ12巻のもののようです。
 基本的には一巻毎で物語が完結して、感情の揺さぶりも控え目で、軽く読めるボリュームなので、お手軽な印象がありますが、シリーズを通して読むとじわじわくる物があり、推理劇4巻では大河ドラマを読んだような気持になりました。
 …各巻の感想は改めて書きますが、ひとまずシリーズとしてはとても面白かったです。