身軽である快感

 昔、「鉄道模型を捨ててから、夫の様子がおかしい」というコピペが流行ったのですが、その夫と似た行動は時々とりたくなります。
 要約すると、「妻が夫の鉄道模型を夫に内緒で処分したところ、夫が極端に自分の持ち物を減らし始めた」というものですが、ぼくも時々今持っているもの全てを手放して鞄一つに全てのものが収まるような生活に憧れる時があります。
 ひとつはその瞬間に必要な物だけがあるという合理性と身軽さに惹かれるような感覚で、特に自分が必死に守っていた物がふっと無くなったときに、ガッカリしつつもどこかほっとした時などに強く感じます。
 もちろんもうひとつに、自分が積み上げたものがつまらない物だという絶望に直面して世に拗ねた感覚もあり、このコピペがもし本当なら夫は、家族を捨てるという選択肢を選ぶかも知れません。
 この身軽さの快感の合理的な部分まででとどめておいて、拗ねた行動まで突き進まないようにバランス良く扱えるかが、既婚男性にとって意外と重要だなと最近思いました。