傾物語は原作の方がオススメです(ネタバレアリ)

評価:
西尾 維新
講談社

¥ 1,365

(2010-12-25)

 西尾維新によるライトノベル原作のアニメシリーズ「<物語>シリーズセカンドシーズン」の、傾物語を全部観ました。
原作からのファンとしては、傾物語は原作の方が面白いと感じました。
 一番残念だったのは、忍野メメからの手紙のシーンで、原作では多少怪しい部分はあるものの時間旅行について許容できる説明があり、忍の誤解を丁寧に説明しながら物語が一本に繋がり、八九寺を助けたことについて忍野が初めて阿良々木暦を褒めて、その上で「 目の前の女の子は、救ったほうがいい」という最後の伏線を張るまでが丁寧に描かれていました。
 傾物語は忍野メメによって謎が全部解かれ解決のための布石も打たれていたと考えるとこの手紙のシーンは物語を楽しむ上では一番重要で、忍野メメすっげーってなるはずでした。
 もう一点残念だったのが阿良々木暦と忍の会話の省略の仕方です。
 忍野メメが考えていた策は、阿良々木暦と忍がその関係を傷物語の時以上に深くしてキスショットに出会わなければならず、別時間の存在とはいえ世界を滅ぼした忍と阿良々木暦が過酷な世界で絆を持ち続けられるのか?が問われます。
原作では、絆が失われることに怯える忍だったり、揺らがない阿良々木暦が見所だったりしていて、まあギャルゲーみたいな楽しさがありました。
 ということで、傾物語はアニメ版を気に入った人もそうでない人も、是非原作を読んで頂きたいです。