映画「英国王のスピーチ」が面白かったです

 イギリスの歴史ドラマ映画「英国王のスピーチ」が面白かったです。
吃音症と向き合う英国王を描いた作品で、ジョージ6世(アルバート王子)と言語聴覚士ライオネル・ローグの治療と友情について描いた作品です。
 ドイツのポーランド侵攻を受けて、吃音症の国王が国民を鼓舞する演説をラジオの生放送で行うという非常にドラマチックなエピソードがクライマックスにはありますが、そんな歴史的な事件よりも、人間関係や吃音症と向き合うジョージ6世こそを中心に描いています。
 このスタイルは今時で、自分自身の日々の問題を地道に解決することこそが重要でありそれこそが社会や歴史というコミュニティの大問題を解決するに至る方法であると語っているように感じます。
それまでのコミュニティの英雄になることで個人としての幸せもまた自動的に得られるという考えが大きく変わったのだなと感じました。
 こういうテーマの作品が第83回アカデミー賞作品賞受賞というのは、世の中の価値観がそれまでのコミュニティの価値への傾倒によりないがしろにされていた個の幸せが再注目されているようで、ぼくは小気味良く感じています。