アニメ「うみねこのなく頃に」 が面白かったです(ネタバレなしのはず)

評価:
菊地洋子,竜騎士07/07th Expansion,川瀬敏文,スタジオディーン
ジェネオン・ユニバーサル

¥ 18,974

(2010-05-26)

 同人サークル 07th Expansionによる同人ゲーム原作のアニメ「うみねこのなく頃に」が面白かったです。
 とはいえアニメ版は(問題編)で終了していることから、多くの謎を残したまま終了してしまい、まあその結果ぼくは同人ゲーム「うみねこのなく頃に 散」をポチることになるのですが。
ちなみにこのレビューを書いている時点で、ぼくは「うみねこのなく頃に 散」を完了させています。
 「うみねこのなく頃に 散」に関するレビューも近々書きます。
 その上でアニメ版を観るかどうかは下記を参考にして頂きたいです
1.一部の伏線は「うみねこのなく頃に 散」まで消化されません
 とはいえ、謎が謎を呼ぶ物語なので謎を解く楽しさや爽快感は味わえます。
 結果的に更に大きな謎が出て終わるという意味で、一気に全てを同じメディアで楽しみたいという方は、アニメはおすすめではないかも知れません。
2.謎を解くのがこの物語の主題ではありません
 謎自体のクオリティが煽った演出や登場人物のリアクションなどにそぐわないほどにチープという意味ではなく、物語や演出を破綻させるほどに分かりやすい答え合わせシーンは準備されていないという意味です。
3.重要な伏線は「うみねこのなく頃に 散」で消化されたと感じました
 ぼくは多分半分もトリックの答えにたどり着いていないので厳密な事は言えませんが、真剣に取り組んだ推理が時間の無駄になるような雑さは無いと思います。
 もう一つ楽しむためのヒントとして、「ひぐらしのなく頃に」でもそうだったのですが、登場人物の奇行が非常に多い作品で、それが謎に大きく関わります。
その原因はトラウマなど真相心理的なもので、その人物のことを深く知らなければ理解出来ず当初は意味不明な行動に悩まされます。
 その奇行に至った経緯を知るというのは、謎を解くための手がかりであると同時に、それ自体が素晴らしい物語であると思います。
 前置きが長くなりましたが、ぼくの感想というか、例によって好きだったシーンをピンポイントをあげると、真里亞と魔法のエピソードが好きでした。
 複雑な家庭事情や他人よりも幼い精神から、自分の世界に入り込む彼女が痛々しく切なかったです。…そこから起こる、親子のすれ違いの描写も素晴らしく、真里亞の「うーうー」という口癖の由来が分かるシーンは泣けました。
 彼女の心理を読み進めるなかで、何故人は魔法を必要としたのか、人に魔法を語ることの意味はなんなのか、が語れておりとても考えさせられました。