屍鬼面白くなって来ました(ネタバレあり)

 小野不由美によるコミック原作のアニメ「屍鬼」が最近とても面白くなってきました。
一話から、面白く無いけどなんか無視できず観ていて、これは面白さに気づいているけど把握出来てないんだなあと思っていたのですがここに来てやっと把握できたという感じです。
 初期では結城夏野や尾崎敏夫からの目線で、屍鬼という吸血鬼によく似た怪物に村人が次々と襲われていく様子とそれへの対抗について描かれてましたが、引っ張る割にやたらあっけなく人が屍鬼になっていきます。
 この辺りが、風呂敷を畳むつもりが無い煽りを観ているようで苦手だったのですが、物語が進むにつれて多くの登場人物が屍鬼になり、桐敷沙子を中心とした屍鬼側から見たものになってからものすごく面白くなりました。
 人間でないものが人間の感性を持ち(捕食のため)人間社会に寄り添って生きるという視点は非常に切なく、また人間の恐ろしさが分かりやすく描かれていました。
 個人的に好きだったのは、人間にとって世界の全てを救済しているようにいわれる神が、人間を捕食する存在には何の救済にもなり得ないというところでした。
人間の考える神というのは人間にとっての神であり、そこに人間の限界があるように感じてとても面白かったです。